VHH抗体作製受託サービス (ナノボディ・シングルドメイン抗体)

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目次

VHH抗体 シングルドメイン抗体とは (ナノボディ・シングルドメイン抗体)

VHH抗体とは、ナノボディとも呼ばれる、ラマやラクダなどのラクダ科動物の血液に含まれる重鎖抗体 (HCAbs)から派生した抗体 (タンパク質)の一種です。シングルドメイン抗体の一種であるVHH抗体は、従来の抗体よりもはるかに小さく、特定の抗原に結合できる単一の可変ドメイン (VHH)で構成されている点が特徴です。

バイオロジカがCreative Biolabs社によるVHH抗体 (ナノボディ)関連受託サービスをお届け致します。

従来の抗体、ラクダ抗体、単一ドメイン抗体 (VHH・ナノボディ)同社は、VHH抗体 シングルドメイン抗体ライブラリー分野でのリーディングカンパニーです。ユニークで幅広い同社のサービスは、ラマおよびラクダを使用することによる免疫シングルドメイン抗体ライブラリーの構築DNA合成を使用することによる合成ラクダ化ヒトシングルドメイン抗体ライブラリーの構築、シングルドメイン抗体ライブラリーのバイオパニングおよび組替えシングルドメイン抗体のラージスケール産生を可能としました。


VHH抗体の仕組み、原理

ドメイン抗体、VHH、VNAR、sdAbとしても知られているVHH (シングルドメイン抗体)は、単一の可変分子可変ドメインからなり、従来のFab領域の重鎖の軽鎖およびCHドメインを欠く一種の抗体フラグメントです。初期のシングルドメイン抗体 (ナノボディ)は、ラクダ科動物 (例えば、ラクダ、ラマ、アルパカなど)で同定された重鎖抗体のVHHドメインから作製されました。また、軟骨魚類 (例えばサメ)重鎖抗体 (IgNAR 免疫グロブリン新規抗原受容体として知られる)のVNARドメインは、sdAb産生のための別の供給源となります。別のアプローチとして、いくつかの重要な残基をラクダ化することによって、ヒトやマウスの正常IgGからの二量体可変ドメインを単量体に分割することがあります。

Fig. Distinguishing structural features of camelid and shark hcAbs. (Wesolowski et al. 2009)
Fig. Distinguishing structural features of camelid and shark hcAbs. (Wesolowski et al. 2009)

従来の抗体と同様に、シングルドメイン抗体は特異的抗原に選択的に結合することができます。IgG (150〜160kDa)またはFab (~50 kDa)やscFv (~25 kDa)などの抗体断片と比較して、はるかに小さい12〜15kDaの低分子量であるため、シングルドメイン抗体は安定性・貫通性という大きな利点を有し、抗体医薬品または診断ツールの研究開発に不可欠となります。

Fig. The comparison among single domain antibody and other types of antibody.
Fig. The comparison among single domain antibody and other types of antibody.

一般的な抗体(上図A)は、2本の軽鎖と2本の重鎖からなり、軽鎖と重鎖は免疫グロブリンドメインにより構成され、軽鎖は2つ(VL、CL)、重鎖は4つ(VH, CH1, CH2, CH3)のドメインからできています。1993年Hamers-Castermanらが、ラクダ科動物の血中に重鎖のみによる抗体(重鎖抗体:Heavy-chain antibody 上図B)が多量に存在することを発見し、このラクダ抗体のVHドメイン (上図E)を、ナノボディまたはVariable domain of a heavy chain antibody(VHH)抗体といいます。このナノボディが発見されるまで、抗体を利用した最小抗原認識分子は、VH、VLの2つのドメインをリンカーで結合させた一本鎖抗体(scFv: single chain Fv 上図D)でした。
全体として、VHH抗体の多用途性、特異性、ユニークな特性は、現代の生物医学研究において不可欠なツールとなっております。


VHH抗体受託サービス概要 – シングルドメイン抗体

構造生物学や細胞生物学研究、創薬医薬品開発など、研究者のみなさまにVHH抗体関連製品・サービスをご提供いたします。
シングルドメイン抗体作製の流れ
サービス提供会社Creative Biolabsは、ファージディスプレイ技術に基づくラマおよびラクダシングルドメイン抗体ライブラリーの構築のための比類ない能力を持った企業です。ナイーブライブラリーと比較して、免疫ライブラリーは、in vitroでの抗体親和性成熟の時間消費を回避することができ、よりよい抗体を産生できます。それらは、親和性の問題による有用性以前に、ナイーブライブラリーからの抗体は、頻繁に親和性成熟が必要です。また、1-100億の独立したクローンのサイズを必要とするナイーブライブラリーと比較して、免疫ライブラリーは、はるかに小さくすることができます。同社の経験では、1-1千万変異体の大きさの免疫ライブラリーは、優れた抗体を産生することがわかっています。同社は、ファージディスプレイベクターへの免疫ラマおよびラクダの形質細胞からのシングルドメイン抗体でのクローン作成の豊富な経験を持っています。1千万-1億個のクローンを含むシングルドメイン抗体のライブラリーは定期的に生産されております。


VHH抗体受託サービスの特長 – シングルドメイン抗体

  • CDR3領域が通常のIgG抗体と比べ長い
    一般的なIgG抗体は、VHとVLの6箇所のCDR領域で抗原結合領域となっているが、重鎖抗体由来のVHH抗体の場合、3箇所のCDR領域で抗原と結合する。VHH抗体のCDR領域は一般的な抗体の約3倍の長さである。
  • 生産が容易
    分子量が約15KDaで、大腸菌のような微生物発現系で容易に発現が可能。scFvやFabはVHドメインとVLドメインをリンカーでつなぐ必要があるがVHH抗体ではVLドメインがないため、他のフラグメント抗体に比べ発現効率が高い。
  • 安定性が高い
    sdAb (VHH抗体・ナノボディ)は、様々な劣悪な条件下 (高温、高圧など)において天然の構造へ巻き戻りやすい性質 (可逆性)を持つ。また、90℃という高温にも耐えることが可能。
  • ファージディスプレイ法
    大腸菌に感染するウイルスであるバクテリオファージ粒子表面に、タンパク質やペプチドを別の分子と相互作用できる形で提示させる方法である。また、提示された分子の遺伝子情報はファージ内のDNAに組み込まれているため、容易に提示分子の構造情報を入手できるという利点を有している。
    ファージディスプレイに関する詳細はこちらのページをご覧ください。
  • 免疫ライブラリー
    特定の疾患や感染症に羅患した患者や、標的の抗原を免疫して抗体価を上昇させた免疫動物のリンパ球由来の抗体遺伝子を用いる。免疫ライブラリーは、抗原結合力の強い抗体を得ることができるが、多様性に乏しい。最初から目的の抗体遺伝子がライブラリー中に含まれるので、比較的小さなサイズのライブラリーからも目的の抗体を得ることが可能。この方法では、それぞれの抗原ごとにライブラリーを作製する必要がある。
  • ナイーブライブラリー
    免疫をしていない動物もしくは健常者由来のリンパ球を用いる。
    ナイーブライブラリーは、抗体遺伝子に偏りのない多様性に富んだ抗体ライブラリーを獲得できる可能性が高いが、抗原結合力が弱くなる。免疫作業を必要としないため、自己抗原に対する抗体作製が可能。ナイーブライブラリーは免疫ライブラリーとは異なり抗原特異的なクローンが少ないので、抗体の多様性が必須であることから大規模なライブラリーを構築する必要がある。
  • アフィニティマチュレーション (Affinity maturation: 親和性成熟)
    抗原による刺激を繰り返し行うことで、抗原に対してより強く反応する(親和性が高い)抗体を産生すること。免疫ライブラリーでは、上述したように抗原結合力の強い抗体が得られるため、アフィニティマチュレーションは必要としないが、ナイーブライブラリーの場合は本操作が必要となることがある。 >> アフィニティマチュレイションに関する詳細はこちらもご覧ください。

VHH抗体作製受託サービス – シングルドメイン抗体

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サービス内容期間
パイロットVHH発現および精製遺伝子合成1week
ベクター構築1week
初期アセスメント1week
1mgの精製タグVHH抗体もしくは2LスケールのCHO-s TGE産物の精製2weeks
  • コドン最適化されたVHHのcDNAを合成
  • 当社が所有しているVHH発現ベクターへのcDNAのクローニング
  • テストとして1mgのVHHをパイロットVHH発現および精製
  • 納品:活性が確認された1mgの精製VHH (もしくは1LスケールのCHO-s TGE産物)
  • 価格は為替等により変動します。また、ライセンス料金が必要な場合もあります。お気軽に見積もりをご要請ください。

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