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MSで定量分析?
できますよ、難しくはありません。定量したい目的分子と同じ分子でありながら、質量が1-9多い分子 (安定同位体標識)を合成し、これをマーカー分子として使います。
自分で合成?それはむずかしいですよ!!
いいえ、そんなことはありません、ペプチド合成を例にとってみましょう。
安定同位体 (1原子-9原子、例えばC12→C13、N14→N15に置き換えられた)がラベルされたFmoc-アミノ酸が市販されています。これを合成に使います。
合成を外注すれば自分では何もしなくてマーカーペプチドを手にできます。
そんなに簡単ですか、マーカーですから純度管理が重要では?
その通りです、スタンダードとして使うわけですからペプチドはより高い純度のもので、その純度が管理されていることが大切です。HPLC精製されたペプチドをMS測定、検出したピークをIsomatch-webで解析、ラベル、非ラベルペプチドの比を管理します。
具体的にどう使うのですか?
LC/MSを例にとると次のようになります。ターゲット分子を含むHPLCのサンプルに一定量のマーカーを混ぜます (ターゲット分子の予想される濃度に近い濃度が理想)。
これを分離しオンライン、もしくはオフラインでMS測定します。
ターゲット分子とマーカーは全く同じ時間 (リテンションタイム)にHPLCから溶出されますからMSでも同じ時間にイオン化されます。したがってMS測定ではターゲット分子とマーカーが同時にイオン化され同じスキャンで捉えられます、質量が異なる二つのピークとして見つけることができます。
二つのピークの比はどのように計算するのですか?
ここが問題です。ダウンロードしたクロマトグラムからピーク高を物指しで計るようでは正確ではなく最新技術には符号しません。そこで、こちらの計算ソフトがあります。
Isomatch-web
得られた生データをASCIIフォーマットに変換 (各MSオペレーションソフトに付属)。
それを”Isomatch-web”にダウンロードすると正確に各ピークのピーク比を計算してくれます。これを元にターゲット分子の濃度を知ることができます。
定量分析ができるのはペプチドだけですか?
いいえ、そんなことはありません。合成時に安定同位体がラベルできればよいのですから有機合成全般で可能です。MS測定が有効な脂質、糖などのマーカー合成が可能です。