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ISOMATCH-webとLC/MSで
生体中に発現した変異蛋白質、何らかの原因で異常に増減した蛋白質、これらの蛋白質を見つけることはそれほど難しくはありません。
- Water-O18 (H2O18)でサンプルを酵素消化
- ISOMATCH-webによる解析
どんな方法、原理ですか?
分析したい「サンプル」(蛋白質溶液)をマイクロチューブ内で凍結乾燥し、これを酵素消化します、使う水はO18安定同位体酸素を持つ水です、O18は加水分解 (酵素消化)で生じるペプチドのカルボキシル基に取り込まれます。
- ご注文はWater- O18, 1ml 35,000円
そしてどうするのですか?
レファランスサンプルを同じように処理します。
凍結乾燥し通常の水を使って酵素消化します、加水分解で生じるペプチドのカルボキシル基にはO16が取り込まれます。
この結果、「サンプル」由来と「レファランス」由来の同じシーケンスのペプチドには質量差2n (n=1 or 2)が生じます (nはカルボキシル基に取り込まれた酸素の数です)。
この質量差が識別に利用されます。
より具体的に説明してください!!
酵素消化の終わった「サンプル」と「レファランス」の溶液を混ぜ合わせます。これをNanoLC/MSで分析します。同じシーケンスを持つ「サンプル」由来のペプチドと「レファランス」由来のペプチドは同じリテンションタイムに溶出されるので、MS測定では、1価のイオンである場合、Z、Z+2、Z+4という差をもったイオンとしてスキャンスペクトル中に発見できます。
「レファランス」中に無い蛋白質が「サンプル」中にあった場合、Zに相当するイオンは見つけられません。
「サンプル」と「レファランス」の比を計算するのですね?
「サンプル」由来と「レファランス」由来のペプチドの量比はどのように計算するのか。Zイオン / (Z+2)イオン+(Z+4)イオンが量比になります。マニュアルでは計算できませんので、ソフトウエアー”Isomatch-web”を使います。
どんな内容ですか?
得られた生データをASCII フォーマットに変換 (各MSオペレーションソフトに付属)それを”Isomatch-web”にダウンロードすると正確に「サンプル」と「レファランス」イオンのピーク比を計算してくれます。
蛋白質の濃度調製が必要では?
いいえ、必要ありません。
「サンプル」と「レファランス」の蛋白質濃度は正確に合わせなくとも、全く問題になりません。極端にRatioの異なるペプチドを見つければよいのですから。
血漿を例にとりましょう、患者血漿(サンプル)と健常者血漿(レファランス)は同量使うという程度で十分です。
成功の秘訣はなんでしょうか?
巨大蛋白質と多量に存在する蛋白質 (ハウス)を除いて実験を進めることです。血漿を対象にした場合、アルブミンは最大の邪魔者となります。
したがって、このような邪魔が入らない実験をすることが肝腎で、的を絞った蛋白質を分析することが大切ではないでしょうか。
例えば、
- 分子量2万以下の蛋白質を的にする、この場合、ゲル濾過が有効な分離手段となります。
- 分子量2万以上の蛋白質については1で排除されたフラクションをイオン交換クロマトで分離、280nm 吸収の高いピークのフラクションを除き、残りのフラクションを分析対象とする。
- 2で除かれたフラクションをアフィニテイークロマトにかけハウス蛋白質を除き、残ったフラクションを分析対象とする。
これらの3対象を分析することで、血漿蛋白質を網羅することができ異常な蛋白質を見つけることが可能となります。